
(これは、俗にいう頑張って記事を書いていた頃の記事)
若気の至り・・・それは剣士が背中に負った一筋の傷跡の様に、人の記憶にひっそりと静かな跡を残し、時々思い出したかの様に疼めいては人を苛立たせる。
・・・そこに恥じらいと苦い記憶とを伴って。
どんな出来た人間も、若さ故の過ちを繰り返しながら、それが地層の様にゆっくりと積み重なり、人生に経験と知性、そして深みとコクとちょっとした苦みを与えた末の成果物である事を僕達は忘れてはならない。
そして、出だしから全く裏バイトに関係のないこのような話を何故したのか・・・それは今日お話しする内容が、僕ナツメグの若さゆえに至ってしまった裏バイトのお話、その体験談であるからに他ならない。
そー、時は僕が中学生の頃まで遡る事になる、それは本当に若き日の僕の現実の姿であり、今でも思い出すだけで赤面してしまう程に、あの頃の僕はとにかく、ものすごく、猛烈に、完璧に、完全なるオタクであった・・・。
これは、オタク時代のナツメグと、裏バイトとの偶然の出会いの物語・・・。
さて、
小学生の頃の僕の裏バイトのお話は、以前記した通りなのだが、いやなかなか、人は変化する生き物である。それがまして、感受性の高く何色にも染まりかねない危うさを持った中学生であればなおさらの事である。
小学生時代、ゲーセンでブイブイ言わせていた僕が気がつけばオタクになっていたのは。猿→人、人→オタク、というダーウィンも驚きの進化だと呼ぶ事ができる、いや、呼べない。

まーとにかく僕は見まごう事なき完璧なまでのオタクであり。その当時オタクと言う言葉はまだなかったから僕はただのキモイ奴だった訳で、そういった同級生の視線を一身に背負っていたのだろうがそんなものは全く気にもならなかった。なぜなら、真のオタクとはそういう生き物だからだ。
それでは何故僕が、それほどまでに完璧なオタクと化してしまったのか、まずはその辺りの経緯からお話ししなければなるまい。
中学生になった当時の僕はテニス部という分かり易い活動にも所属し、一般的で典型的な中学生としてそれなりに頑張って過ごしていたはずだった。しかし転機はいつも突然訪れる、それは真夏の晴れ渡った青空を不吉に黒く染め、邪悪な光と液体をもたらす雨雲の様に、何の前触れもなくやってきた。
そしてその原因は複雑な天気に比べれば遥かにシンプルで。それは当時の僕のテニスのペアが、まぎれも無いポロリその人であったからだ(ポロリを知らない人は
スロット代打ち日記を読んでね)
彼は当時からとにかく駄目だった。いや、駄目という言葉がこの頃の彼に適切であったのかどうかは僕にも自信が持てない。なぜなら彼は中学の中では優等生の部類に所属していたし、先生にも気に入られていて、三年間ずっと学年の代表を務める程に皆の信頼も厚かった。
しかし彼には裏の顔があった。
それはピンクフロイドの名盤「The Dark Side of the Moon」が暗喩している様に、まさしく狂気そのものでだった。
そう、あれほどまでにスロットにハマる後の彼の駄目っぷりは、真っ白なシーツに染み付いた一滴の深紅の血液の様に、すでにこの時から彼に薄らとその影を落としていたのである。
しかしそのころの僕といえば馬鹿の典型みたいな生き物であって、彼のそんな欠落した部分には気がつくはずも無く、彼に誘われるがままとあるカードゲームを始めてしまった・・・。
ゲームセンターでお金の稼ぎ方を学び、ブラックジャックで賭け事を覚え、その後麻雀に没頭した日々を送りながら、やがて僕等が辿りついたのは何故かカードゲームだったのだ。
多くの人はカードゲームと聞いて、何を言っているんだコイツは!と思っている事だろう。しかし世の中に存在するある種のカードゲームは、ブラックホールがその深淵なる闇の中へ万物を引き寄せる様に、暗く巨大な引力を持っているのだ。
そして、この裏バイト体験談の発端はまさにこのカードゲームである。
僕を薄暗い暗黒の時代へと誘ったそのゲームの名は「
マジック・ザ・ギャザリング
」
知る人ぞ知るカードゲーム界のキングであり、かの有名な遊戯王カードもこのマジック・ザ・ギャザリングを模して造られた程、このゲームは既に完成された深く美しい魅力を持ち合わせていた。
・・・今思えばあのゲームは、美しい造形と深みある性格を持ち合わせた魅力的な女性への恋に似ていた、僕はそのゲームと言う名の女性に深く深くハマり、気がつけば抜け出す事が出来なくなっていたのだ。
その後は寝ても覚めても、僕はそのゲームの事ばかり考え、休みになればせっせと自転車をこいで、数少ないマジックの専門店に足しげく通い、かつてドラゴンボールのカードダスにハマった少年時代をダブらせながら、順調にカードをダブらせていった。
しかし、カードダスと大きく違った点は、マジック・ザ・ギャザリングが高価であった点、実際にプレイする事が出来た点(しかも非常に面白い)しかも絵がものすごくカッコいい。そしてもう一つ、これがもっとも僕を強く惹き付けた理由な訳だが、レアなカードには全て値段がついていた点であった。そう、そのカードはお店に売り買いする事が出来たのである。
今でこそ、遊戯王カードがあれほどまでに流行し、カードの売り買いが当たり前に感じられる様になったが、当時そんなことが起こりえるのはマジックだけであり、その価格も1枚100円〜5000円。さらに古い歴史を持つカードゲーム故、最も古い初版のカードに至っては、200万という破格の値段がついていた。
僕はそんな高価なカードに憧れながら、せっせと英語版のカードを買い集め(日本語版もあったのだけど、英語版の方が安かったし、なんかカッコいいと思った)カードの枚数は瞬く間に増え、増殖する細胞が古い部分を捨て去る様に、僕の中の常識的部分は欠落して行った。毎週毎週、ポロリと僕と他二人のオタク仲間は、競ってカードを買い求め。実際にプレイしては、互いの持ち合うカードに嫉妬を感じ、ゲームの深さを実感し、またカードを買い漁る。
それは、人がお金を使う最も典型的なパターンであり、同時に人がオタクへと変わる瞬間でもあった。
やがて僕の貯金は無くなり、それでもカードは常に新しい物へと更新されて行く。
僕はとにかくカードが欲しかった。
そしてその為にはお金が必要だった。
だから裏バイトを始めたのだ・・・。
このカードを使って。。。
えー、なんか書き始めたらテンション上がって長くなったので、、具体的な裏バイトの内容は次回に持ち越し。
続きはこちら